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全固体電池の材料開発と界面制御の最前線

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Recent Progress in Materials Design and Interfacial Control for All-Solid-State Batteries

★実用化へのカウントダウン!全固体電池の最大の鍵を握る「材料開発」と「界面制御」の最前線をまとめた成書!
★硫化物・酸化物などの多種多様な固体電解質から、量産化に向けた複合化プロセス、最先端の評価・解析技術までを一挙解説!
★自動車の電動化や再生可能エネルギーの普及に向け、新材料開発や製造プロセスに関わる研究者・技術者の方必読の1冊!

商品コード:
T1301
監修:
小林直哉
発行日:
2026年8月3日予定
体裁:
B5判・230頁
ISBNコード:
978-4-7813-1926-1

キーワード:

全固体電池/全固体リチウムイオン電池/固体電解質/硫化物系固体電解質/酸化物系固体電解質/ハロゲン化物系固体電解質/高分子系固体電解質/電極複合体/導電助剤/界面制御/表面解析/シミュレーション/特許/劣化

刊行にあたって

 20世紀は様々な技術及び商品が開発され,人々の生活はとても豊かになった。この流れは,先進国だけでなく開発途上国を含めた世界規模に拡大を続けている。しかし,その豊かさと引き換えに資源の枯渇や高騰,二酸化炭素等による地球温暖化,公害等による環境破壊,動植物への影響等が問題視されている。これらを含む地球規模の課題解決に向けて,2015年9月の国連サミットにおいて,『持続可能な開発目標(SGDs(Sustainable Development Goals))』という目標が採択された。そしてこの目標実現に向けて,自動車の電動化,風力発電や太陽光発電等の再生可能エネルギーの普及,水素社会の実現等々が唱えられている。その中でも重要な技術の一つと位置付けられているのが電池である。
 電池は18世紀末にLuigi Galvaniによって発明されたガルバニ電池に始まり,19世紀には一次電池の乾電池につながるボルタ電池,鉛電池やニカド電池等の二次電池が発明された。また,20世紀末にはニッケル水素電池やリチウムイオン電池が実用化され,従来の二次電池に比べて高いエネルギー密度を有することから,携帯電話やノートパソコン,電動車等々に応用され,今やそれらの性能を左右するキー技術として発展し続けている。
 全固体電池の基礎技術は固体電解質の開発の歴史であった。多くの先人たちの努力によって,現在では固体電解質の最大の課題であったイオン伝導率は有機電解質に匹敵するレベルにまで到達した。
(中略)
 本書は,全固体電池の基礎と現状,固体電解質の開発,評価・解析技術,電極材料と複合電極化技術,界面の科学と界面制御・設計の5編より構成され,それぞれの研究開発分野において第一線でご活躍されている産学官の方々にご執筆いただいた。本書を通じて全固体電池に関係する方々,特に研究開発される方々の一助になれば幸いである。

小林直哉
(本書「はじめに」より抜粋)

著者一覧

小林直哉   ㈱NKエナジーフロンティア
山田博俊   長崎大学
森野裕介   (国研)産業技術総合研究所
古川一揮   マクセル㈱
松本要    経済産業省
朝倉大智   大阪公立大学
本橋宏大   大阪公立大学
棟方裕一   大阪公立大学
作田敦    大阪公立大学
林晃敏    大阪公立大学;東北大学
門田祥悟   出光興産㈱
井口史匡   日本大学
冨田靖正   静岡大学
田代啓悟   静岡大学
猪石篤    九州大学
廣津義史   上智大学
藤田正博   上智大学
外山直樹   日本大学
金相侖    光州科学技術院
坪田隆之   ㈱コベルコ科研
阿知波敬   ㈱コベルコ科研
森拓弥    ㈱コベルコ科研
常石英雅   ㈱コベルコ科研
兒玉学    東京科学大学
小林亮    名古屋工業大学
大谷和史   日産自動車㈱
巌元志    大阪公立大学
仲村英也   大阪公立大学
松田麗子   豊橋技術科学大学
引間和浩   豊橋技術科学大学;東京都立大学
松田厚範   豊橋技術科学大学
武田積洋   日本ケミコン㈱
和泉智也   東京大学
小林成    東京大学
一杉太郎   東京大学
佐野光    (国研)産業技術総合研究所
寺島颯人   名古屋工業大学
中山将伸   名古屋工業大学

目次   クリックで目次を閉じる

【第1編:全固体電池の基礎と現状】
第1章 全固体電池の研究開発動向と今後の展望
1 はじめに
2 全固体電池開発の現状と課題
 2.1 硫化物系全固体電池開発の現状と課題
 2.2 酸化物系全固体電池開発の現状と課題
 2.3 ハロゲン化物系全固体電池開発の現状と課題
3 今後の展望

第2章 全固体電池の基礎と開発事例
1 緒言
2 全固体電池の特徴
 2.1 利点
 2.2 課題
3 全固体電池の種類
4 固体電解質の種類
 4.1 硫化物系固体電解質
 4.2 酸化物系固体電解質
 4.3 ハロゲン系固体電解質
 4.4 高分子系固体電解質
5 結言

第3章 実用化に向けた固体電解質の研究・開発
1 はじめに
2 固体電解質の種類
 2.1 酸化物固体電解質
 2.2 硫化物固体電解質
 2.3 ハロゲン化物固体電解質
 2.4 有機固体電解質
3 固体電解質の利点・課題の整理

第4章 セラミックパッケージ型長寿命全固体電池の開発
1 はじめに
2 長寿命化に関する基礎研究
 2.1 LIBの容量減少メカニズム
 2.2 全固体対称セルにおける副反応速度
 2.3 全固体電池における容量減少メカニズム
3 セラミックパッケージ型全固体電池
 3.1 PSB401010Hの特性
 3.2 高温高湿試験
 3.3 寿命予測
4 産業用途における全固体電池の活用事例
5 おわりに

第5章 特許情報から読む全固体電池の各国開発動向
1 はじめに
2 全固体電池に関する特許出願の全体構造
 2.1 パテントファミリー分析:「発明の数」では日本が先行するも近年は中国が最多
 2.2 国際パテントファミリー分析:グローバルな影響力は日本が強いが中国・韓国の動向を注視
 2.3 論文発表件数推移:中国籍研究機関の存在感が突出
 2.4 上位出願人ランキング:日韓の企業が上位を占める中,中国は研究機関がランクイン
3 技術区分毎の特許出願動向からみる,注目分野と各国の動き
 3.1 固体電解質:日本は硫化物系,中国は高分子系・ハロゲン化物系に特徴
 3.2 正極活物質:日本に比べ,海外ではリン酸鉄リチウム(LFP)系の開発に注力
 3.3 負極活物質:日本はシリコン系,中韓は金属リチウム
 3.4 技術課題:イオン伝導性とサイクル寿命の向上に重点
 3.5 その他:マテリアルズインフォマティクスの適用は論文が先行
4 まとめ

【第2編:固体電解質の開発】
<硫化物系>
第6章 全固体リチウム-硫黄電池に向けた硫化物系固体電解質
1 はじめに
2 リチウム金属負極の利用に向けた固体電解質の開発
3 硫黄正極の開発
4 結論

第7章 硫化物系固体電解質に関する設計技術
1 はじめに
2 硫化物系固体電解質の特徴
3 70Li2S-30P2S5ガラスセラミックスと熱融着によるイオン伝導度向上
4 アルジロダイト型固体電解質
5 第3成分添加系ガラスセラミックス型固体電解質
6 まとめ

第8章 全固体電池への応用にむけたナトリウムイオン伝導性硫化物電解質の開発
1 はじめに
2 イオン伝導性
3 機械的特性
4 電気化学的安定性
5 大気安定性
6 まとめ

<酸化物系>
第9章 酸化物型全固体電池の充放電時におけるマクロな変形と体積変化
1 はじめに
2 充電時に伴うひずみ式の導出とその適用
3 マクロな変形の実測
4 まとめ

<ハロゲン化物系>
第10章 ハロゲン化物系固体電解質を用いた全固体二次電池の開発
1 はじめに
2 Li3InCl6の合成と基礎物性
3 Li3InCl6を用いた全固体二次電池の構築
4 種々の正極材料を用いた電池特性
5 正極合材の厚膜化
6 シート積層電池

第11章 全固体ハロゲン化物電池の可塑性と電池特性
1 はじめに
2 全固体フッ化物電池
3 全固体塩化物電池
4 さいごに

<高分子系・その他固体電解質>
第12章 可塑性の固体電解質を用いた全固体電池の開発
1 はじめに
2 IPCの分子設計
3 IPCのイオン伝導
4 IPC / 高分子複合体
5 全固体電池への応用
6 おわりに

第13章 錯体水素化物および関連材料による固体電解質の開発と全固体電池への応用
1 はじめに
2 LiBH4に関連したリチウムイオン伝導体
 2.1 LiBH4-LiXのリチウムイオン伝導体
 2.2 LiBH4-LiNH2のリチウムイオン伝導体
 2.3 LiBH4-NH3BH3のリチウムイオン伝導体
 2.4 LiBH4-CH3NH2のリチウムイオン伝導体
 2.5 [BH4]-を導入したアルジロダイト型リチウムイオン伝導体
3 クロソ系錯体水素化物のリチウムイオン伝導体
 3.1 クロソボランの共存によるリチウムイオン伝導体
 3.2 カルボランの共存によるリチウムイオン伝導体
4 室温でのリチウムイオン伝導率の比較
5 おわりに

【第3編:評価・解析技術】
第14章 全固体電池の実用化に向けた分析評価技術
1 はじめに
2 全固体リチウムイオン電池の特徴と分析評価の課題
3 全固体電池の試作評価技術
4 全固体電池の分析技術
 4.1 電極構造の評価:SSRM法による電極内の導電パス解析技術
 4.2 構成材料の評価:Cs-STEMによる低ダメージ原子分解能観察・分析技術
 4.3 SEM+マイクロプローブ複合装置によるin-situ観察技術
5 おわりに

第15章 全固体電池の温度制御技術開発に向けた伝熱特性の解明
1 はじめに
2 全固体電池の熱マネジメントと固体電解質の役割
3 固体電解質の伝熱特性評価法
 3.1 熱拡散率の評価
 3.2 熱伝導率の算出
 3.3 微構造評価と構造パラメータ解析
4 硫化物系固体電解質の伝熱特性
 4.1 成形圧による微構造変化
 4.2 熱拡散率・熱伝導率の変化
 4.3 イオン伝導特性との対応
5 酸化物系固体電解質の伝熱特性
 5.1 焼結温度による微構造変化
 5.2 熱拡散率・熱伝導率の変化
6 全固体電池の温度制御技術開発に向けた設計指針
7 おわりに

第16章 イオン伝導固体材料のためのハイスループット古典ポテンシャル構築
1 はじめに
2 イオン伝導体材料のための古典ポテンシャル
3 ハイスループット古典ポテンシャル構築手法
 3.1 ブラックボックス最適化
 3.2 カッコウ探索と自律的探索範囲決定
4 ポテンシャル構築事例と応用例
 4.1 酸化物材料
 4.2 硫化物材料
 4.3 ハロゲン化物材料
5 まとめと展望

第17章 全固体電池のリチウム金属負極における析出分布の数値シミュレーション
1 はじめに
2 リチウム金属負極を用いた全固体電池
3 シミュレーション方法
4 シミュレーション結果と考察

【第4編:電極材料と複合電極化技術】
第18章 全固体リチウム硫黄電池の連続式複合化プロセスの開発
1 はじめに
2 二軸溶融混練プロセス
3 硫黄-導電助剤の二軸溶融混練プロセスの開発
4 硫黄-導電助剤-固体電解質の二軸溶融混練プロセスの開発
5 複合粒子内の硫黄存在領域と電池性能の関係
6 おわりに

第19章 液相法による固体電解質合成と電極複合体の作製
1 はじめに
2 LS法によるLi7P2S8I(LPSI)の合成
3 SEED法による電極活物質 / 硫化物系電解質界面の構築
 3.1 グラファイト / LPSI 負極複合体の作製と評価
 3.2 グラファイト / LPSI極薄コート / アルジロダイト負極複合体の作製と評価
4 おわりに

第20章 全固体電池向け導電助剤の開発
1 はじめに
2 キャパシタから電池材料へのアプローチ
3 導電助剤が生まれた背景
4 液系LIBでの効果
5 全固体電池で期待できる効果
6 副次効果(繊維状カーボンの分散補助)
7 糊状カーボンの製法と材料構造
8 補足(試料について)
9 さいごに

【第5編:界面の科学と界面制御・設計】
第21章 全固体リチウム電池の界面制御技術とその評価
1 はじめに
2 界面制御のアプローチ
 2.1 固体電解質の材料選択
 2.2 界面層設計
 2.3 力学条件
 2.4 プロセス条件
3 界面制御の実例
 3.1 アニール処理による固体電解質-電極界面抵抗の大幅な低減
 3.2 リチウム金属負極と固体電解質との界面抵抗に関する研究
 3.3 分子結晶電解質とLiCoO2の界面での抵抗低減
 3.4 5 V級正極と分子結晶電解質の界面に関する研究
4 おわりに

第22章 電気化学インピーダンス法による電池材料の表面解析
1 はじめに
2 電池材料表面における状態変化のインピーダンス解析事例
 2.1 金属リチウム表面における皮膜形成
 2.2 固体電解質表面の水分劣化層
3 おわりに

第23章 深層学習力場による全固体電池の界面反応解析
1 はじめに
 1.1 全固体電池界面の化学的課題
 1.2 ガーネット型Li7La3Zr2O12の特異性
2 界面モデル化のための計算手法
 2.1 従来手法の限界
 2.2 ニュートラルネットワークポテンシャルの発展
3 Li金属負極/ Li7La3Zr2O12固体電解質界面のシミュレーション
 3.1 手法
 3.2 シミュレーション結果
4 まとめ