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トライボロジーの評価・制御・応用展開

Evaluation, Control and Application of Tribology and Polymer Materials

★トライボロジーの科学や工学の基本的知見を体系化した成書の完成!
★材料開発、設計、生産、メンテナンスの現場で直面する課題解決のヒントがここに!
★高分子材料のトライボロジーにかかわる研究開発において国内第1線の執筆陣が解説!

商品コード:
T1169
監修:
岩井善郎,新田 勇
発行日:
2021年1月29日
体裁:
B5判・319頁
ISBNコード:
978-4-7813-1591-1
価格(税込):
71,500
ポイント: 650 Pt
関連カテゴリ:
新材料・新素材
新材料・新素材 > 高分子・プラスチック

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キーワード:

トライボロジー/摩擦/摩耗/MSE法/硬質被膜/樹脂被覆材料/表面改質/ポリプロピレン/ゴム材料/ワイパー/固体潤滑剤/すべり軸受/樹脂コーティング/人工関節/PTFE/PEEK/電動パワーステアリング

刊行にあたって

 この書籍は,トライボロジーに関連する業務を若干経験した、あるいは新たにトライボロジーの周辺技術や応用技術にチャレンジする研究者やエンジニアを対象に、トライボロジーの科学や工学の基本的な知見を体系化し、それらを研究開発や設計・生産に応用できることを目指して企画された。トライボロジーの中で摩擦・摩耗に焦点を絞り、それらの基礎的事項から、先進材料や高分子材料の摩擦・摩耗、さらに適用例や新技術・製品について解説や紹介をする。
 第Ⅰ編基礎では、主として金属材料をベースにした表面・接触、摩擦、摩耗の基礎的事項を系統的に解説する。それらを受けて、第Ⅱ編次世代技術に対応する材料のトライボロジー特性では、高分子材料の摩擦・摩耗、それに続いて先進金属材料、被覆材料、表面テクスチャー材料などのトライボロジー特性を説明する。そこでは、 基礎編の説明だけでは様々な実用材料の現象を理解するのが難しい点や不十分な点、また読者の理解にとって必須となる材料の特徴や機械的特性などの説明を適宜含めて、読者にとってわかりやすくなるように努めた。次いで、第Ⅲ編トライボ設計事例、トラブルとその解決事例では、企業の最前線におけるトライボ設計事例・トラブルとその解決事例などを紹介し解説する。
 最新の研究開発をトライボロジーの基礎に立ち返りながら読み進めることによって、トライボロジーの評価・制御に対する理解が深まり、今後の様々な取組に役立てば幸いである。
岩井善郎、新田 勇
(「はじめに」より抜粋)

著者一覧

岩井善郎    福井大学
新田 勇    新潟大学
長谷亜蘭    埼玉工業大学
松原 亨    ㈱パルメソ
勝俣 力    ㈱パルメソ
月山陽介    新潟大学
竹市嘉紀    豊橋技術科学大学
神田一隆    福井工業大学
榎本和城    名城大学
加藤寛敬    (独)国立高等専門学校機構
宇佐美初彦   名城大学
木ノ内 智   ㈱プライムポリマー
校條 健    (一社)ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)
田原章年    ヤマウチ㈱
中野博之    ㈱フコク
神谷 周    大豊工業㈱
迫田秀行    国立医薬品食品衛生研究所
黒川貴則    ㈱ジェイテクト

目次 +   クリックで目次を表示

まえがき ─トライボロジーとは─
1 トライボロジーとは
2 トライボロジーにおける科学と技術
3 機械工学の視点からトライボロジー問題の解決をはかるには

【第Ⅰ編 基礎】
第1章 表面の性質
1 表面の性状(表面の構造と性質/エネルギーやぬれの現象/吸着)
 1.1 表面張力
 1.2 吸着
 1.3 表面のぬれ
2 表面の形状(表面性状パラメーター/機械仕上げ面)

第2章 接触
1 固体表面の接触(見かけの接触面積と真実接触面積)
2 弾性接触
 2.1 点接触
 2.2 線接触
3 粗面同士の接触
4 接触に及ぼす凝着力の影響
5 塑性接触
6 表面うねりと接触面剛性

第3章 摩擦
1 摩擦の形態
2 摩擦のメカニズム
 2.1 凝着説
 2.2 接触点成長と修正凝着理論
 2.3 凝着摩擦を低減させる接触面の考え方
 2.4 掘り起こし作用
 2.5 弾性ヒステリシス損失
3 転がり摩擦
 3.1 すべりがないときの転がり
 3.2 すべりを伴う転がり(転がり接触部の微小すべり)
 3.3 摩擦に及ぼす表面粗さの影響
 3.4 スティック・スリップ現象(摩擦振動)
 3.5 まとめ

第4章 摩耗
1 摩耗とは
2 摩耗の種類と進行過程
3 摩耗形態とメカニズム
 3.1 凝着摩耗(adhesive wear)
 3.2 アブレシブ摩耗(abrasive wear)
 3.3 腐食摩耗(corrosive wear)
 3.4 フレッティング(あるいはフレッチング)摩耗(fretting wear)
 3.5 疲労摩耗(fatigue wear)
4 摩耗の遷移現象
 4.1 初期摩耗から定常摩耗への遷移
 4.2 摺動条件による摩耗形態の遷移
5 まとめ

第5章 摩擦・摩耗試験法と新しい評価技術
1 摩擦・摩耗試験法
 1.1 摩擦・摩耗試験の目的と考え方
 1.2 摩擦・摩耗試験の方法と特徴
 1.3 摩耗計測法の種類と特徴
 1.4 可視化実験の重要性とその方法
 1.5 AE計測を用いた摩擦・摩耗解析
2 新しい試験・評価技術
 2.1 エロージョン摩耗を利用した表面強度特性評価法(MSE法)
  2.1.1 はじめに
  2.1.2 材料の表面強度特性の評価技術
  2.1.3 アブレシブ摩耗やエロージョン摩耗を利用した表面強度の評価法
  2.1.4 MSE試験法
  2.1.5 エロージョン率特性の可視化と評価
  2.1.6 エロージョン特性のポジショニング(MSEマップ)事例
  2.1.7 おわりに
 2.2 広視野レーザ顕微鏡によるトライボ表面の解析
  2.2.1 はじめに
  2.2.2 広視野レーザ顕微鏡の構成
  2.2.3 静的メタルシールの漏れの解析
  2.2.4 床材とゴムの間の真実接触面積の分布
  2.2.5 干渉計測による深さ方向解像度の改善
  2.2.6 おわりに

【第Ⅱ編 次世代技術に対応する材料のトライボロジー特性】
第6章 プラスチック(樹脂)材料のトライボロジー特性
1 プラスチック(樹脂)材料の基礎
 1.1 高分子・樹脂・プラスチック
 1.2 プラスチックの分類
 1.3 プラスチックの基本的な構造と特性への影響
2 トライボマテリアルとしてのプラスチック材料
 2.1 PTFE
 2.2 PEEK
 2.3 POM
 2.4 UHMWPE
 2.5 PA
 2.6 PAI
 2.7 PF
3 複合材料化による耐摩耗性向上
 3.1 フィラーによる複合材料化
 3.2 固体潤滑剤
 3.3 フィラーの役割とフィラーの種類
 3.4 フィラー添加によるトライボロジー特性の向上
4 プラスチック材料の摩擦摩耗低減に関する研究事例
 4.1 PTFE
 4.2 PEEK
 4.3 PA

第7章 炭素繊維充てんPEEK材料のトライボロジー特性
1 はじめに
2 摩耗試験および供試材料
3 摩擦・摩耗特性
 3.1 荷重の増加に伴う摩擦係数と摩耗率の変化
 3.2 摩耗面の形態
 3.3 相手面(S55C炭素鋼)の摩耗
 3.4 摩耗機構
 3.5 PEEK材と汎用軸受材料の比較
4 まとめ

第8章 硬質薄膜のトライボロジー特性
1 はじめに
2 硬質薄膜の種類と進化
3 耐摩耗用硬質薄膜の特性
 3.1 鉄鋼材料加工用硬質薄膜
 3.2 アルミニウム合金加工用硬質薄膜
 3.3 銅合金加工用硬質薄膜
4 摺動用硬質薄膜の特性
 4.1 炭素系硬質薄膜の低摩擦係数発現メカニズム
 4.2 炭化物系硬質薄膜の低摩擦係数発現メカニズム
 4.3 CrN系硬質薄膜の低摩擦係数発現メカニズム

第9章 樹脂被覆材料のトライボロジー特性
1 はじめに
2 樹脂被覆材料の成膜方法
3 MoS2分散複合樹脂オーバーレイ平面すべり軸受のトライボロジー特性
4 グラファイト分散複合樹脂オーバーレイ平面すべり軸受のトライボロジー特性
5 グラファイト分散複合樹脂オーバーレイ曲面すべり軸受のトライボロジー特性
6 まとめ

第10章 微細組織材料のトライボロジー特性
1 超強加工による微細組織材料
2 HPT加工によるバルクナノメタルのトライボロジー特性
3 バニシング加工による表層ナノ組織化と耐摩耗性向上

第11章 表面テクスチャ材料のトライボロジー特性
1 はじめに
2 テクスチャによる効果
 2.1 ストライベック曲線
 2.2 表面テクスチャの摩擦低減機構
3 テクスチャの種類と創製法

【第Ⅲ編 トライボ設計事例,トラブルとその解決事例】
第12章 機械的手法による表面改質
1 表面近傍の塑性加工によるテクスチャリングと摺動面組織変化
 1.1 はじめに
 1.2 ショットピーニング
 1.3 微粒子ピーニングの原理と特徴
 1.4 組織構造
 1.5 その他の改質効果
 1.6 まとめ
2 ローラーバニシング
 2.1 はじめに
 2.2 微粒子ピーニングとの複合化
 2.3 転がり軸受の疲労寿命向上
3 微細断続切削によるテクスチャリング(タイリング)
 3.1 はじめに
 3.2 タイリングの加工原理
 3.3 摩擦特性
 3.4 ローラーバニシングとの複合効果

第13章 固体潤滑剤との複合化による表面組織設計
1 軟質金属成膜と熱処理による表面改質
 1.1 はじめに
 1.2 鋳鉄への適用事例
 1.3 青銅への適用事例
 1.4 転がり軸受への適用
 1.5 膜構造の不均質化による摩擦低減
2 機械的手法による複合表面創成手法とその特性
 2.1 はじめに
 2.2 複合表面の創成
 2.3 軟質金属成膜面との複合化
 2.4 セリサイト複合面の摩擦特性
 2.5 まとめ

第14章 ゴム材料開発による摩擦・摩耗特性の向上
1 はじめに
2 粘弾性特性の制御による紙送りロールの摩擦・摩耗特性の向上
 2.1 当社での給紙ロール材料開発
 2.2 初期摩擦係数
 2.3 残存摩擦係数(摩擦係数保持性)
 2.4 耐摩耗性
 2.5 EPDM給紙材料の摩擦・摩耗特性の向上
3 おわりに

第15章 自動車用ワイパーのトライボロジー
1 ワイパーの歴史
2 ワイパーシステムの役割と最新動向
3 ワイパーブレードの役割と最新動向
4 ワイパーラバーに求められる性能
 4.1 払拭性
 4.2 静粛性
 4.3 耐久性・耐候性
 4.4 汚染性
5 ワイパーラバーのトライボロジー
 5.1 μ-Vカーブ測定装置の開発
 5.2 摩擦係数の負勾配の低減
6 払拭性の定量化(水膜厚さ計算と測定)
7 まとめ

第16章 摩擦試験を用いた印刷用紙の評価法
1 はじめに
2 紙と印刷方式
 2.1 紙
 2.2 紙粉
 2.3 紙と各印刷方式の関係
3 電子写真方式と紙
 3.1 電子写真方式
 3.2 電子写真方式における紙でのトラブル
 3.3 電子写真方式の給紙装置
4 摩擦試験を用いた印刷用紙の評価法の開発
 4.1 開発の動機
 4.2 紙粉量数値化の各種検討
5 用紙の摩擦力計測による紙粉量の評価方法(JBMS-88:2020)
 5.1 測定原理など
 5.2 評価事例
 5.3 本評価方法の応用方法
6 JBMS-88制定での効果
7 おわりに

第17章 MSE法を用いたプラスチックの劣化評価
1 はじめに
2 樹脂劣化における化学分析とMSE試験の関係
3 環境劣化を受けたポリカーボネート板の劣化様相と引張強度の関係
4 燃料チューブの内面と外面の劣化変化
5 自動車用多層膜塗装の内部劣化変化の事例
6 接着・密着前処理用を目的とした表面改質層の強さ分布測定
7 まとめ

第18章 人工関節用樹脂部品のトライボロジー
1 はじめに
2 人工関節の構造
3 人工関節の材料
4 人工関節の評価
5 ポリテトラフルオロエチレン
6 炭素繊維強化UHMWPE
7 HIP処理UHMWPE
8 滅菌法の影響
9 高度架橋UHMWPE
10 抗酸化剤
11 ポリエーテルエーテルケトン
12 Soft material
13 まとめ

第19章 自動車用ポリプロピレン製品の表面傷付き問題の一考察
1 はじめに
2 自動車材料としてのポリプロピレン
 2.1 内・外装材の無塗装化と耐傷つき性の重要性
 2.2 耐傷つき性要求の高まり;J.D.PowerによるIQSの衝撃
3 プラスチックの耐傷つき性評価法
 3.1 自動車メーカーによる評価法
 3.2 傷の定量化
4 PP材料の傷付き原理
 4.1 傷の形態
 4.2 摩擦力での整理
 4.3 塑性域の発生と傷の形態
5 PPメーカーの特許出願状況から見る耐傷つき性向上技術
6 今後の課題
7 おわりに

第20章 自動車エンジン用すべり軸受への樹脂コーティングの適用
1 はじめに
2 樹脂コーティングとは
3 樹脂コーティングを施したエンジン軸受の軸受性能向上について
 3.1 低フリクション化
 3.2 耐疲労性向上
 3.3 耐摩耗性向上
4 高面圧・高周速対応樹脂コーティング
5 高耐摩耗性樹脂コーティング
6 高耐異物性樹脂コーティング
7 今後の展開

第21章 自動車用電動パワーステアリング減速機で用いる樹脂製ウォームホイールのトライボロジー
1 はじめに
2 EPS減速機に使用される樹脂製ウォームホイール
3 樹脂製ウォームホイールの損傷形態
4 樹脂ウォームホイールのバックラッシュ量を予測する摩擦摩耗試験手法
5 試験条件の設定手法と耐久後ウォームホイール歯面の再現
6 樹脂ウォームホイールのバックラッシュ量の予測検証
7 まとめ

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